2020年の3月以降、「自粛」とか「STAYHOME」というムードの中でSNSやオンライン通話で誰かと意図的に近況などを話す場を作ることはできますが、今までのように「あそこに行ったらたまたま会ってさ」みたいな偶然的な出会いが起きづらくなっちゃった。（そこが素晴らしいところなのに）

[ A.N.D.NOW ]では、日々モノを作ったり遊んだりしている人々に今どんな生活をしていて家で何を考え何を見ているのか。日本はどーなっていくと考えているか、少し話を聞いてみました。

芸能人やニュースキャスターや専門家じゃなくって少し距離の近い、みんなの2020年5月。

人間は慣れるしいとも簡単に忘れてしまう。これから先の不安定な、だけど必ず来る未来の為に。覚えておきたいことがたくさんあります。

[A.N.D. NOW]5人目、Kosuke Aoki toydog88。彼を何者かと説明するのは一言ではとても難しい。 Slow Squad Internationalという世界中のメッセンジャーコミュニティの主催であり、出会った時はMVの監督だったし、撮る写真は最高にスペシャル。最近は浅草のpure’sでDJを始めたり、、、私が思う東京屈指の規格外スーパーマンだ。6月にはANAGRAで彼主催のパーティを企画していたが延期になってしまった。

今回、現在のメッセンジャーのリアルな話や、2月にインドへ行っていたことも話してくれた。

お名前と、肩書きなど教えてください。

青木孝介 Kosuke Aoki toydog88

バイシクルメッセンジャーを生業に、フォトグラファー、映像、ライターやら、なんやらかんやらディレクターとか、遊ばせてもらってマス

世界18カ国26都市のメッセンジャーとその周りのゴロツキを集めた宗教団体、Slow Squad International主催！アハン

新型コロナウィルスによって現在どんなふうに過ごしていますか?

起床時間から就寝までの平均的な時間割を教えてください。

眠くなったら寝て、目が覚めたら起きてて、基本昼夜逆転中で7時間から9時間は眠ってて暗くなって起きると軽くテンションさがっちゃう。で、目が覚めたらダラダラ、YouTubeとか見ながら、テンションあがってきたら、その時の気分で作業に入る。

色々なプロジェクトもあるけど、基本自分ではじめてる物が多いから、今日はアレ、明日はアレって感じできままにやってる。まあまあ、特別休暇だと思って、夏休みの宿題気分でやってるよ。

で、週に１度だけ、ほぼ開店休業状態のメッセンジャーの仕事で外を走りまくる。あと、ポジティブな仲間も多いから、この状況だからこその、新しい動きをはじめる人も沢山いて、そういった動きに自分が協力できる事をご奉仕させていただいてる。撮影、映像、動画配信、ディレクターをしている、カルチャーショップの運営。今製作中の、世界のアンダーグラウンド情報誌。やれる事は沢山あるから、色々と外にも出てるかな。公共機関はもともと基本使わないよ。皆様も自転車オススメします！コペンハーゲンの人々なら東京都内の移動距離ならチャリ通勤している人の方が断然多い。

で、時間割はなんだろ。バラバラすぎて出せないけど、昨日の1日の時間割は、

20:00 - 2:00睡眠

2:00 - 3:00 ダラダラ、飯(カレー)

3:00 - 5:00 写真編集

5:00 - 7:00 web管理、ライティング

7:00 - 11:00 また寝る

11:00 - 13:00 マイケルジョーダンのドキュメント（netflix )、飯（パンケーキ）

13:00 - 16:00 ダラダラ。雨で外でるのおっくうになる

16:00 - 17:00 移動浅草 to 渋谷

17:00 - 19:45 ショップ事務仕事、商品撮影、ミーティング

19:45 - 20:00 移動渋谷 to 池尻大橋

20:00 - 21:30 レストランの食品撮影

21:30 - 22:00 個人的撮影

22:00 - 23:30 ミーティング&食事(撮影したブツ）

23:30 - 23:45 移動　池尻大橋 to 渋谷

23:45 - 24:00 機材もどし

24:00 - 1:00 渋谷 to 浅草

1:00 - 2:00 風呂、ダラダラ

2:00 - 3:00 写真編集

3:00 - 寝る

そんな感じぃ～

生活はコロナ前とどう変化しましたか?

ここ最近までは、クリエイターとしての仕事も多かったから、週2,3でメッセンジャーをやっていて、わりかし規則正しくやっていたんだけど、自粛後は完全に生活リズム破壊中。心の健康にもよくないよね。基本的にそんなしっかりした人間じゃないんで、自由になるとすぐこーなっちゃう。まーまーでも毎日好きに起きれてサイコー！で、週1だけメッセンジャーに寝ないで行くスタイル笑

自分はメッセンジャーというカルチャーで生きている事で、色々なクリエイティブな仕事が国内外でできていて、更に体や生活のバランスもキープしているのだけども、自粛要請後は、ビジネス街の緊急書類がそもそも出ないので、仕事はほぼなくなっていて、今はそれを継続するための動きと共に、カルチャーとして、メディア発信力をあげる動きをしている。インターネットの登場で、ビジネス間の緊急書類の配送というビジネスモデルは終わりかけの職業なんで、コロナ以前からカルチャーとして認知度をあげ、この文化と仕事を残す考えで活動していたけど、今回の問題でより危機を実感していて、周りにも協力をお願いして動いてる。メッセンジャー自体、それでもまだ需要があるものなので、その可能性をさぐってる。あと、仲間内でフードデリバリーのサービスなんかも始めたりしてる。

基本、その状況で自分に出来る事に集中する（遊ぶ）タイプだから、コロナ前と、コロナ後もやる事は変わらないかな。でも、みんな生き抜くために必死だから、その分エナジーを感じてるし、今回の事件はとても不幸な事なんだけど、普段から、頑張っている人達は更に輝きまくってんじゃないかな！逆に文句ばっか言ってる人は、結局なにがあっても、なくても常に不満だらけなんじゃないかな？ポジティブでいる事が何より大事。あとは、人々の慈悲の心。

送っていただいた写真について教えてください。

「インドの聖地バラナシの犬達」

ちょうど、コロナが騒がれだした2月の半ばに、ヘンタイカメラ♡のツアーフォトグラファーとして、同行したインド。

ゴア、バラナシ、デリー2週間で7公演のハードスケジュールだったんだけど、初インドって事で大分テンションMAXだったし、アーティスト達との旅は最高のメモリだった！そこまでプライベートな時間は多くはなくて、自分の大好きなストリートフォトをそこまで撮影できなかったんだけど、その中でも、バラナシはTheインドって感じで、足下みれば牛と犬の糞だらけなんだけど笑、スーパーフォトジェニックな街で、イメージしていたインドの生活感を肌でちょっとは体感できたかな。ガンジス川の目の前に滞在していて、沢山の巡礼者や、そこで生活を送る人達との触れ合いで、彼らの宗教感や生活感を吸収できた事が、旅の中で得た大きな財産だった。

そこまで言っておいて、選んだ写真はワンコ写真になっちゃったエヘッ！

混沌とした街の中に、沢山野良犬や、牛がいるんだけど、インドらしいはちゃめちゃ感が動物にも現れてて、大分笑かしてくれたもんで。

当初は牛と犬だけで写真集作ろうと思ったぐらい。なんせ、人より犬の方が好きなんで！

みんな野良犬達に優しくしてて、色々近くの人達が世話をして共存していたのが、見ててホッコリしまくった。

宗教観を持つことにより、慈悲の心がとても強く、上手く街が機能している感じだった。

残飯の入った袋に顔を突っ込んで、上手く食べれませんドッグ。

お祭り時期で、首にドーナッツのネックレスをつけられ、食おうにも食えず叫ぶドッグ。

ヒンドゥードッグ

産まれたてのパピー達。

「メッセンジャーを救え」

イラストは、マイメンで世界で大人気のタトゥーアーティストSCUMBOYによるもの。毎年、メッセンジャーの事務所でカルチャーショップであるMess Crib Tokyoにて、展示とタトゥーをやっていただいてるんだけど、今のヤバイ状態を知って、絵をプレゼントしていただいたんだよね。写真見てイラスト描いたように見えるけど、イラストが先でそれに合わせて写真を撮った。よく俺らの生活や特徴をとらえてるなーと。さすが天才！メッセンジャーは日雇い労働者と変わらない、基本ゲトージョブなもんで、1日中仕事に出てもデリバリーがなけりゃ、お金にならないし、もち保証なんてないわけ。それに対して文句も不満もないし、逆にそこもクールだなって思う一面であるのだけれども、さすがに無給でただ外にいて、1件2件のデリバリーかました所で生きていけないわけじゃん。

さっきも言ったように、これから伸びる職業ではないので、少しでもメッセンジャー達の足しになるように、メスクリブも立ち上げたんだけど、この窮地でこれがあり、更にスカムボーイというぶっ飛んだ助っ人の力もあり、メッセンジャーのみんなもなんとか乗り越えられそう。

よかったらサポートT買ってくださいね！big shout out to scumboy & サポートしてくれる、お客様！ぺこり

https://messcrib.theshop.jp

「ABENOMASK」

世界を震撼させたTHE ABENOMASK笑

アベノマスクが全く届かないもんで、Amazonでリアルアベノマスク買っちゃった！ちなみにそれは2日で届き、ずっとこのマスクが届くのを待っていた（5月半ば）！とくにアベとか自民党批判とか言うよりは、一種の社会風刺かな。ユーモアのある笑いで、自宅待機している人々をニヤッとさせてやりたくて笑　アベちゃんファンの人達はごめんね！

自分は無政府主義者なんで、党派関係なしに政治家全員まとめて興味なしなんで。あんな中世の劇場みたいな所の人間には、なにを言おうとも俺らの人生観なんてわかりっこないじゃん。とりあえず、貰えるもんはいただくじゃなくて、ぶんどる気持ちでみんないただいちゃいなよって感じです。

あと結局、政治は民度の表れかなって思うよ。世界各国色々旅をして、やはり民度の高いなって国は、今回の件でもしっかり保証されてるよね。残念ながら日本人全体の感じを見て、今の感じはそりゃそうだなって感じ。悪くも悪くも島国なんだよね笑

コロナ収束後の世界はどうなっていくと思いますか?

まず、世の中のシステムや、テクノロジーが発展した所で、形を変えて人々は何千年も同じようなカルマの中で生きていると思うんだよね。ただ少しずついい方向には向かっているとは思う。ちょい100年前までは、世界中の人がぶっ殺しあってたかと思えば、今は少しはマシになってるわけじゃん。人間の寿命の中でパラダイムシフトが起こる事は、あまりないと考えていて、ただこの地球や宇宙時間の中では常にそれが繰り返されている。

人生の中でそれを体験する事はあまりないけど、地球が何百年単位で良い方向に向かっている、１つの歯車が自分だと思って生きている。そう考えると、今回の事件もその小さな一部であり、その中の状況で自分に出来る事をやるだけなんで、個人的にはウンコ踏んじゃった靴をどうするかって悩みとさほど変わらない。世の中の仕組みが変わるというよりは、皆がどう考えるかが重要で、皆がポジティブになるのならば、その中で適応してより良いライフスタイルを送る事が可能なんじゃないかな。

ライブハウス、クラブに関しては、結局体感の中で衝動や、エクスタシーを感じちゃってるわけだから、自粛が過ぎればみんな盛り上がっちゃうでしょ。コロナ前以上の歓喜が目に見えるよ。

今、皆が試行錯誤で配信したり、ネットの動きをしていて、自分を含めこれが正解だっていうのはまだ目にしないけど、それが今後、現場を更に温めるような機能として働くといいかな。

ご自身の活動は変わっていくと思いますか？

自分はプロの遊び人として、6つほど職業があって、好きな事やその時期の気分でやる事違うから、特別変わる事はないかな。でも最近は新たな趣味で配信が増えたかな！

さっきの民度の話で、自分の周りは素敵なホーミーしかいないんで、その輪をドンドン広げて行く事が、やりたい事かな。物事の良し悪しよりも、物事を人がどう捉えるかで右にも左にもなるんで、全ては自分次第だよね。

ANAGRAで6月に開催しようと思っていたパーティについて教えてください。

自分は、写真や映像で様々なストリートカルチャーとの接点があり、メスクリブの動きもそういった流れから構築されてきたもので、長年の活動から色々な可能性が生まれてきている実感を感じていた。同時に、色々なジャンルでアンダーグラウンドの人間同士がもっと協力しあって、全体で企業以上の力を持つことの必要性を感じていたんだよね。
メッセンジャーカルチャーの発展を望み、その目標を前に進めて広げていくと、色々な企業との関わりも増えてきた。だけど、そこに文化の重要性を理解して共に成長させる意思を感じる事はできなかった。結局、来月再来月の儲けを考えてメッセンジャーをスパイス程度に扱う程度の事しか、今まで起きなかったんだよね。現にピストブームが起きた当時、色々な会社がこの文化に投資をしたのだけど、今はほとんど見ないよ。

自分の世界で起きている事は、他の人達の世界でも似たような現象が起きているわけで、ジャンルを超えた、マインドを共有しあえる同士の世界を広げる事が、１番の目的だった。

メッセンジャーとして生かされている分、このカルチャーに足を向けて眠れないし、最大限この場所に敬意を持たなければならない。そして、ある程度の身を削る覚悟も同時に持たなければならない。
残念ながら、資本が大きな企業ほど、そういった事から遠ざかってしまう。
街でピストが一般に乗られるようになったのは、メッセンジャーというカルチャーが無ければ間違いなくないし、メッセンジャーという冠をかぶった商売をし
て、生活しているのにも関わらず、そこをないがしろにしている。ただの金銭的思考で、プラスマイナスでしか協力しあえない関係は建設的ではないし、ただのまやかしだよね。
損得勘定を抜きに、互いに協力しあって、文化を育てる事は、時間のかかる長期戦で大変な事だろうけど、ビジネスとしても先の先まで継続する為に1番大切なことであり、綺麗事ではなく、それが最良で長く繁栄していくのには賢いやり方なんじゃないかな。孫の代まで飯を食わすってそういう事で、その世界の人口を増やす事が1番大切なじゃん。

そういった事を踏まえて、自分の周りには本当にヤバイ人達しかいないし、そんなホーミーズ達を、誰よりも信じてやまないわけで、それぞれの畑を合わせて、強力なネットワークをさらに固めていきたかったんだ。

これは活動の中で一貫して考えている事なんだけど、長年の国内外の活動でネットワークがさらに広がり、２０２０で区切りもよかったんで、１歩先に踏み込んでみたんだよね。長年知っているホーミーズ達も、この２０２０って年は、”なにかカましちゃうよ！”ってエナジーをビンビン感じちゃってたもので。

そこで、アナグラで大ポップアップストアを昨年末から企画していた。Kioscoや、渋谷の蒼産業、大阪は新世界Voyage Kidsに、我らがヘンタイワークス。名古屋からはスカムボーイを招いてタトゥー。各ショップに関わる国内外のブランドや、アーティスト、DJ。自分の中では1番ヤバイ奴らが揃った感じで、さらに言うと、自分の生誕祭も含めて、一世一代の見せ場だったんだ笑

その前哨戦で、4月,5月は大阪名古屋でポップアップやったり、自転車の公道レースしたり全て決まってたら、3月にまさかのコロナショックで全てキャンセルになっちゃって！
まあまた、季節を変えて更にアップデートして開催するんでお楽しみに。
んで、コロナショックでわかったのは結局でかい企業は比較的守られて、オレらみたいなローカルビジネスはサバイブしなきゃいけない状況じゃん。今回の騒動で自分のやっている方向性は、間違いないと確信できたかな。ちなみにパーティー名は、Tokyo Fair Trade 2020。芸術秋にでもかましたいな。カモーーーン！！